この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁の星と月
第7章 愛と哀しみの円舞曲
「…でも…もう大丈夫です。…絢子は強くなります…。春馬様がいらっしゃらなくても…強く生きていけるように…絢子は…絢子は…」
絢子の肩が小刻みに震えだす。
大紋は絢子の背後から、彼女を優しく抱き締めた。
絢子の華奢な身体がびくりと大きく震え、信じられないかのように恐る恐る大紋を見上げる。
「…春馬様…?」
大紋は静かに微笑みながら、優しく声をかける。
「…もう、良いのです。…何も仰らないでください。…絢子さん。…私はずっと貴女のお側におります…そして、貴女をお護りします。…この先ずっと…生涯をかけて…」
絢子の震える小さな手が大紋の腕に触れ、しがみ付くように握りしめる。
「…春馬様…春馬様…」
感極まり、言葉にならずに泣き崩れる絢子の艶やかな長い髪を静かに撫でる。
絢子が大紋に抱きつき、その拍子に花籠が地面に落ちる。
…ライラックの花々が散らばり、風に舞う。
…ライラックの花をどこかで見た…
…あれは…

一人の忘れ難い美しい青年の貌が脳裏に浮かび…しかし…大紋はそれ以上、追憶するのをやめた。
静かに瞼を閉じ、胸の中で泣きじゃくる娘を慈愛に満ちた微笑みで抱き締める。
「…絢子さん…もう、お泣きにならないでください…。
私はもう、何処にもまいりませんから…」
/479ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ