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暁の星と月
第7章 愛と哀しみの円舞曲
月城は、そのまま地下の貯蔵庫に行こうとする暁の手を握り、引き留める。
白く華奢なその手は胸が痛むほどに冷たく強張っていた。
「…他のギャルソンにサーブさせましょう。
貴方が無理をされることはない。
…暁様…お顔が真っ青です…」
月城の気遣わしげな貌を見たくなくて、暁は首を振り俯く。
「…いいんだ。…せっかくいらしたんだ。…春馬さんにも絢子さんにも…楽しんでいただきたい…。
…僕は精一杯おもてなしをしたい…」
と、答えると月城の手を振り切り、その場を後にした。

月城が暁の背中を痛ましげに見つめていると、奥のテーブルから暁の姿を目で追っていた大紋と視線が交錯した。
二人は暫く見つめあっていたが、やがて月城から視線を外すと、彼は仕事に戻っていった。

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