この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁の星と月
第11章 クリスマスの贈り物
その夜は礼也と光と暁で厳かにクリスマスを祝った。
ダイニングルームの長いテーブルには七面鳥の丸焼き、トリュフのパイ包み、オマール海老や牡蠣、甘鯛など海の幸のブイヤベース、ミンスパイ、クリスマスプディングなど、聖夜に相応しい料理が並んだ。
光は真珠色のイブニングドレスを着こなし、ダイヤモンドの首飾りを身につけ、優雅に席についた。
その姿は、きらきらと光輝く宝石のように美しかった。

そんな光を礼也は愛しげに見つめ、その白魚のような手を握りしめる。
「…とても綺麗だ…光さん…」
光は頬を染めながら、礼也を見つめる。
「礼也さんも、とても素敵だわ。…大好きよ…」
海外の生活が長い光は愛情表現が豊かだ。
暁がいても臆面もなくそれを示す。
礼也も、暁が見たこともないような熱っぽい眼差しで光を見つめる。
「…光さん…。君はもう私の妻だ。…明日、婚姻届を出そう。…もう一日たりとも待てはしない」
それは今までの常にきちんと整った冷静で余裕に満ちた姿しか見せたことがないかつての礼也ではなかった。
生々しくも人間味溢れる…恋する男の真の姿だった。

…兄さんは、本当に愛する人に巡り合ったのだ…。
暁はどこか二人から遠く離れたしんと静まり返った世界にいるような気がした。
…兄さんはもう、以前の兄さんではない。
おそらく、兄さんは今も僕を愛してくれているだろう。
…それはこれからもきっと変わらないだろう。
けれど、僕は変わってしまった…。
もう以前のように兄さんを慕うことは出来ない。
兄さんに無邪気に甘えることは出来ない。
…なぜなら、これから兄さんの一番側には光さんがいるからだ…。
兄さんの温かい胸も、腕も、手も…
全ては光さんのものになったのだ…。

暁はひたひたと胸に迫り来る哀しみと痛みを押し殺しながら、シャンパンが注がれたフルートグラスを笑顔で掲げる。
「兄さん、光さん、乾杯しましょう」
二人が暁を見つめる。
「…兄さんと光さんの永遠の愛に…乾杯」
礼也と光が嬉しそうに杯を合わせる。
暁は誰にも見えないように、ふっと淋しげな微笑みを浮かべて、杯を空けた。



/479ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ