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暁の星と月
第12章 堕天使の涙
月城の冷たい手が、暁の双丘を卑猥な形に揉みしだく。
「…ああ…」
そのまま押し開かれ、慎ましやかに閉じている薔薇色の小さな花蕾を露わにされる。
外気に触れたのと、今まさに月城が自分の後肛を見つめているのかと思うとその羞恥と快感に背中が震える。
月城は意地悪く耳元で囁く。
「…本当に、私以外の男にここを触れさせていませんか…?」
暁は小さく頷く。
「言葉にしてくださらなくては、信用できません」
顎を掴まれ、睫毛が触れ合う距離まで覗き込まれる。
眼鏡のない月城の貌は艶めかしい男の色香に溢れ、暁の腰の奥がずきりと疼いた。
「…してない…」
「…何をしていないんですか…?」
暁は羞恥のあまり、いやいやをする。
「…仰ってください。…でないと…ずっとこのままだ…」
「…セックス…してない…」
「…では、暁様がセックスしていいのは誰ですか?」
まるで子どもに尋ねるような丁寧な言い方だが、そこには暁の被虐性を充たそうとする艶めいた意図が感じられた。
暁は潤んだ瞳で男を見つめ返す。
「…月城…」
「もう一度…」
暁の耳朶が柔らかく噛まれる。
身体がぐずぐずに蕩けそうなのを堪える。
「…つきしろだけ…つきしろとしか…しない…」
「約束ですよ…」
白く細いうなじにキスが落とされる。
「…んんっ…しない…つきしろだけ…」
「キスも駄目ですよ…」
「…しない…しないから…」
…もう…きて…と、長い睫毛に涙の雫を絡まらせ、男を見上げる。
「…馴らさないと…怪我をします…」
呻くような声で止める男の牡は既に凶器のように硬く熱く、スラックス越しでもその存在を露わに誇示して暁の可憐な花蕾に押し付けられている。
「…いい…大丈夫…痛いくらいが…いいんだ…」
喘ぐように懇願すると、男は苦しげに溜息を吐き、傍らのチェストの上に手を伸ばす。
暁の為に用意された潤滑油だ。
器用に片手で蓋を開け、中味を暁の花蕾にゆっくりと垂らす。
ひやりとした香油の感触に震え、冷たい壁に貌を埋める。
ベルトを緩める金属音が聞こえ、スラックスの前立てを開く気配を感じる。
淫靡な水音が再び聞こえるのは、男が己れの牡に潤滑油を塗っている音だろう。
暁は羞恥と高揚に唇を噛み締めて耐える。
月城の大きな手が暁の華奢な腰をやや乱暴に掴む。
鼓膜に艶めいた声が響く。
「…もっと腰を突き出してください…そう…いやらしい格好だ…」




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