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暁の星と月
第3章 暁の天の河
気が遠くなるほどの激しく濃密なくちづけのあと、暁は痛いほどに手を引かれ、大紋の部屋に誘われた。
ドアを閉めると、大紋は再び濃厚なくちづけを繰り返す。

「…大紋さ…」
「…忘れさせてみせる…礼也のことを…」
息がつまるほどの濃厚なくちづけに、暁の呼吸が荒くなる。
「…んっ…あ…ああ…」
甘く掠れた暁の声に、大紋は己の官能を痛いほど刺激される。
…この類稀なほどに美しく危うい魅力を秘めた少年に…絡めとられるように溺れ始める自分を感じる。
「…暁…君がほしい…」
暁のほっそりとして華奢な首筋に顔を埋める。
…香水など何も付けてはいない筈なのに、彼からはひんやりとした白い花めいた薫りが漂う。
大きな手で、暁の小さな造りもののような美しい顔を愛しげに撫でる。
「…君はまだ17だ…。本当なら大人の僕が君を抱くなんて、許されることではない。…礼也が知ったら、決して僕を許さないだろう…。
でも…どうしても君がほしい…。君を僕のものにしたい…僕だけのものにしたい…!」
大紋の熱い掌と熱い言葉から、迸る情熱と恋情を感じる。
暁は密やかに微笑んだ。
大紋の手を取り、そっと唇を付ける。
「…いいですよ…。大紋さん…」
大紋の切れ長な瞳が見開かれる。
「…暁…!」
「…貴方はずっと僕のことを思い続けてくれました。…でも、子供の僕を傷つけないようにずっと大事にしてくれました…。僕は貴方が好きです…。…兄さんを想う気持ちとは違うかも知れないけれど…。それは偽りではない気持ちです…」
「…暁…!」
大紋は暁の小さな顔を引き寄せ、感に耐えた様子で呟く。
「…大事にするよ。…君を必ず幸せにする…。
…だから、僕の恋人になってくれ…!」
暁は瞬きもせずに大紋を見つめ、静かに微笑むと頷いた。
大紋は堪らずに暁を強く抱きしめる。
そして、ゆっくりとその腕を解くと暁の艶やかな黒髪を優しく愛撫しながら囁いた。

「…おいで、暁…」
大紋は暁の手を強く引くと、奥の寝室へと導いた。

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