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暁の星と月
第3章 暁の天の河
大紋の牡は布越しだと言うのに、息を呑むほど熱く硬くそして大きく、暁のほっそりとした華奢な手には有り余るほどの存在感を誇示していた。
…春馬さん…こんなに…。
自分に対して、こんなにも欲情しているのだと知らしめられると胸の鼓動が早くなり、春馬の牡に触れている手が緊張で震える。
暁の戸惑いを察知した大紋は、ふっと笑い暁の手を離させる。
「…暁が好きで堪らなくてこうなってる。…でも今夜はいい…」
…ゆっくり眠りなさいと、髪を優しく撫でる大紋に暁は首を振る。

「…嫌です…」
大紋は眼を瞬く。
「暁?」
「…そんなの、嫌です…。春馬さんにも気持ちよくなってほしいです…だって…僕たちは…」
…恋人同士なんでしょう?と、恥じらいながら尋ねると、不意に大紋が怒ったような強い眼差しで、暁の肩を引き寄せた。
「…君は…!どうしてそんなに可愛いことを言うの…⁉︎これ以上、求めるのは可哀想だから…今夜はもう寝かせてあげるつもりだったのに…!」
「…春馬さんは優しいですね…」
暁は密やかに笑う。
「…でも、いいんです。…春馬さんがしたいことをして下さい…何でも…だって…僕はもう、春馬さんのものだから…」
「…だから…!そういうことをあっさりと言わないでくれ…」
歯止めが効かなくなるから…と大紋はくぐもった声で言うと、噛み付くように暁の唇を奪った。
「…あ…っ…んん…っ…」
「…好きだよ…大好きだ…!君がこうして、僕の腕の中にいるのが信じられないくらいだ…」
狂おしいほどの濃密なくちづけが繰り返される。
暁は、大紋の巧みなくちづけに翻弄され、合間に息継ぎをするので精一杯だった。
「…何でも…してください…僕で…良かったら…」
「…暁…!」
…じゃあ…と、大紋は暁の唇を漸く解放すると、成熟した大人の色香が滲む眼差しで囁いた。

「…僕に、触ってくれ…君の手で…」
暁は潤んだ黒眼勝ちな瞳で頷いた。



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