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第1章 入社試験

試験内容は面接に加えて客間でのお茶の入れ方、

接客マナーもあった。

すでに研修が始まってるみたい…

仲居経験者で女将希望の人はお辞儀の角度もキレイだっ

た。

面接は夕方からも行われた。

美織は緊張のあまり

途中、ほうじ茶をこぼして減点対象だ。

正座もすぐクズしてしまうし。

他の女将候補者にクスクス笑われた。

とてもじゃないが

最終選考には残らないと思ってたのに。…

「これから呼ぶ5名は最終選考です。」

呼び出された時には驚きが隠せなかった。

落ち込んで帰っていく残りの25名。

横島から案内を受けて辿り着いた広間には

淡い色の蚊帳が敷かれていた。

美織は最後に呼ばれる事となった。

面接を終えたのか帰ってくる女は皆　

力が抜けた様に赤くなって帰ってきていた。

どんだけ体力消耗するの？

きっと労力要するテストなんだわ…

仲居出身の人まであんなにフラフラ…。

ようやく美織の番が回ってきた。

「こちらへ…」

和紙で作られた灯籠が怪しげに灯りをを放つ。

蚊帳に入ると布団が敷いてあり

浴衣姿の男が待っていた。