パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第14章 香港ｰすれ違う心

だから言えない、でもウードゥさんを見放す事も出来ない、どうすれば良いの私‥
どうすれば納得出来る？
その方法が分からない、誰も教えてなんてくれない。



「‥‥‥なみ‥‥美波？？」


「えっ？
あ、ごめんなさい、考え事をしてた」


「何を考えていたんですか美波は？」


「‥‥もう少し頭冷えないかなって‥‥
あれほど悠人に言われていたのに、私‥‥怒りのままに‥‥」


こうとしか言えない私が辛い、嘘は言いたく無い為の沈黙、これって本当に良い事？
‥‥私は少し違うと思ってしまう、でも言えない辛さ。



「‥‥‥美波‥‥‥」


そんな私を仁科さんはフワッと抱き締めてくれる‥
仁科さんは優しい、そして何時も私の味方で、私を甘やかして‥‥今はちょっとだけ仁科さんの優しさが辛いけど。



「私達だって人なんです、怒りの感情があって当たり前だと私は思います‥
私も怒る時はありますよ？」


「だけど悠人は、それをセーブする事を知ってるでしょう」


「無駄に人生長いですから、何時の間にか身に付いたというか、元々こんな性格というか‥‥
私の真似をしなくとも、美波は美波で良いんです、その為の私ですからね」


「‥‥‥はい‥‥‥」


逆らえないの、仁科さんのこの雰囲気に、私を見詰める魅了の瞳に逆らえない私‥
仁科さんの甘い雰囲気は媚薬、躰中がゾクッとする媚薬そのもの。