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第14章 香港ｰすれ違う心

何だろう？
言葉が見付からない、そんな感じを仁科さんから受ける‥
そう‥‥昨日もそんな感じだった。


私の事ばかりで、仁科さんの変化を見逃すなんて、私のドジ！



「‥‥私がショーを行っている時に、本人かどうか分かりませんがカイザーらしき人物が居ました」


「えっ！？
それってCross selsに入り込んでいるという事？？」


「ですから本人かどうかは‥‥
初日にワン･レンという男が捕まっていたのを覚えていますか？」


「‥‥確か麻薬の密売のシマ争い‥‥」


「ええそうです、その時にタイランから話があった筈、仲間にミン･ロンチャンとイン･ウードゥという人物が居ると‥
私は偶然その３人を目にしましたが、ミン･ロンチャンがカイザーに似ているんです、これほどもなく」


「ミン‥‥ロンチャン‥‥」


あの冷静そうな人？
確かに戦闘力はあると思う、でも私が見た限りでは普通の人と変わらない程度‥
話に聞いているカイザーにそぐわない。



「頭も回り武もある、タイランの説明です‥
私が見たカイザーは武‥‥戦闘力が異常な程高いです、ですが頭が回るとは思いませんでした、ですからミン･ロンチャンがカイザーだという確証もありません、他人の空似という線もありますので」


「他人の空似‥‥
そんなにそんなに似た人なんて居るの？
中国人は似た顔が多いって言うけれど、こんな近くに何人も同じ顔をした人なんて普通に考えれば居ないでしょう」