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第14章 香港ｰすれ違う心

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「・・・振り返っても良いんじゃねえか？」


「‥‥‥えっ！？」


私がこんな話をしてしまったから、ウードゥさんまで悲しそうな顔をしてる‥
私は‥‥そんなつもりは無かった、ただ腕のピアスに触れられてつい言葉に出てしまった、悪いのは私の方。



「振り返えられる過去があるんだ、一度振り返って己を見詰め直すのも手だと思うんだがなぁ‥
俺みたく過去が無いと、振り返る事も出来ねえ、だがな何時もとは言わねえぞ？本当に辛くなった時だけ振り返って見れば良いのさ」


「‥‥ウードゥ‥‥さん‥‥
振り返って‥‥良いの？
みんな振り返らないように努力しているのに？？」


「だったら、せめて心の中にしてやんな‥
何でもかんでも背負っていたら、その内潰れるぜ‥‥あんたがな」


「‥‥‥‥‥‥‥」


初めて‥‥言われた、振り返って良いって‥‥
ずっと言葉にすら出来なかった、私の置いて来てしまった思い‥‥


私の中で櫻澤さんの思いは、あの日のあの言葉で止まったままだった‥
あの時『前を向いて進め』そう言われた瞬間に止まった、言われた通り前を向いて、過去を振り返らないように頑張って１年以上、誰も今の言葉は言ってくれなかったの。