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第16章 香港ｰ前途多難

「何故本部側じゃならない？
こんなクラブで大物を捕まえているのに別なのが不思議だ」


「そもそもの存在理由が違うせいですね‥
初めは本部のみでした、本部は宗教色が強いのが特徴で、古くから王族や支配者と繋がりを持っていたと言われています‥
そこから分かれたのが中央、こちらは宗教色を取り除き、物資の流通から始まったのがマフィア寄りになり、核弾頭から臓器まであらゆる裏事情を手掛けるようになりました‥
ですから権限は全てに於いて本部が上、ですがクラブや人身売買は中央の管轄、ですからイェンフゥイが上でも実働はタイラン、これで成り立っている‥‥説明これで良いですか？」


「ほう‥‥同じに見えて中身は全く違う、だからイェンフゥイの行動は分かりにくい」


「主に中国各地の政治経済の本当の権力者との繋がりを保つ、それがイェンフゥイと本部香港支部の本来の役目、ですから表向きの活動は分かりにくい‥
香港から周辺諸国の情報収集くらいはしているようですよ？
‥‥私が知っているのはこんな程度です」


基本的な事を理路整然と並べたが、肝心の中身は一切話してはいない‥
国の願いを聞く、これが本部の大前提、聞き判断し力を施行する、これこそが本部が敬われる最大理由。


これは話す事が出来ない方‥
遺跡の秘密に触れる者に死の制裁を、その為の支部とも言います。