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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤


「……………」

意識を集中し男の記憶の中へ、そうすれば見えて来る男の記憶。

(……此は香港?
それに……この顔は見た事があります)

見えるのは香港の景色に、私が見たというより、ツインドラゴンの拠点を潰して歩いていた時に、記憶として見た男に膝を折る姿。

(確かハンリン、肉体強化をしている上に武を極ている……でしたか
まさかツインドラゴンが本部にまで食い込んでいるとは、私も甘く見ていたんですかね?)

ハンリンから、つまりツインドラゴンから香港のCross selsへ渡り、イェンフゥイが見込んだのか中央から本部側へ流れ、アジア人という事でこの日本支部へと配置された。
それに見えます、この支部内で色々と探っている姿が、ただしルークが持っている中央権限は探られていない。

(どう……取るべきでしょう
この男がツインドラゴンからのスパイで間違いありませんが、私達の事が向こうに知れたのか……
記憶を見る限り、内部事情を流したが私達の方は流せなかった)

私が日本支部をメインに使っていた頃は男は居らず、1年前のあの逃避行の後での日本支部には、この男は偶々支部には居なく、そして今私達が来た事で動く気になった。

私達の事と、触れる事叶わずと言明している遺物の欠片を調べ、ツインドラゴンへと情報を流し、自身も香港に高飛びするつもりだったとは、全く面倒ですね。

(アリアンが拒絶して助かったというところ、もし流されていれば、先日カイザーを襲ったのが私とバレていました
後は、この男の始末……は必要ありません)


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