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契約的束縛・誘惑なる秘密
第22章 日本ー仮拠点完成
「ラッキーなんでしょう。
このまま使えますね」
「ただ電話の転送先は替えないといかん。一度事務所に行く必要があるだろう」
「この事務所の所在地は?」
「……山形県だ」
ああ……と、言いそうになるのを飲み込みましたが、まさか山形県とは……。
私達が今居るのは東京近郊、此処から山形県は往復でも1日、余裕を見れば2日は掛かってしまう。
私が行くべきか、外に……ルーク達に頼むべきか、困りましたねこれは。
「参ったな、サイトと固定番号だけでは、正確な場所が掴めん。
山形県とまでは知っているというのに、次で手詰まりとは」
「仕方ありません、ルーク達を山形県に出します。
向こうは警察関係にも食い込めますから、電話番号で行けると思います」
「そういえば、連れて来なかったんだな仁科?」
「連れて……ですか?」
何を?
本郷さんは、何を言いたいんです??
「いや、最近の事を考えれば、ルークもこの拠点に来るものと思っていた」
「……それですか。
体よく断られましたよ……ルークに。
支部に居た方が役に立つ、と」
「いいのかそれで?」
「現状では、ルークの言い分の方が正論です。
全てが揃っていない今の状態では、中間を管理するルークの存在は必要ですので」
連れて来る気だった。
ですが、ルークの言葉があまりにも的確て、私はルークを連れて来る事を諦めた。
今でなくとも、連れて来る機会はある、そう思う事にして。