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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍

思うだけで何も出来ず、ただ時間だけが流れてゆく。
私も美波も紅茶を片手に別々のソファーに座り、二人が帰って来るのを待つだけ。

変化が訪れたのは、こうして居て一時間は経過した頃、マンションの入り口の音がし、本郷さんとルークに担がれた宮野が入って来た。

「本郷さん!?宮野さん!?」
「ルーク此は一体?」

美波はすぐさま本郷さん達に近寄り、私はまず状況把握の為にルークに聞く始末。
……見るからに何かがあったのは分かりますが、詳細を聞かなければ次の行動が取れないというもの。

「ご指示通り二人の元に向かいましたが、CLUBには二人は居らず、致し方なくスマホのGPSを使い追ったところ、ツインドラゴンのナンミンという者に襲われていましたのを助けました」
「ナンミンって……」
「調教師を怪我させて歩いた者ですね、今回も関わっていたとは。
だから調教師は誰一人戻っては来なかったんでしょう、相手が肉体強化された者では分が悪すぎます」

幹部クラスを投入していたとは、此では戻って来ないのも通り、連れ去られたか殺られたか、この程度は簡単に分かる事。

「とにかく、本郷さんと宮野の手当てが先です。
美波、宮野を頼めますか?」
「勿論!
宮野さん、少し触って確かめますけど、我慢して下さいね」
「本郷さんも。
私達では怪我の具合を確かめるまでしか出来ませんが、状態が分かれば適切に処置出来ますので」

私は本郷さんを、美波は宮野を、それぞれ触れ怪我の確認。
治療まで出来れば良いんですが、いかせん適合率の問題が発生してしまう。

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