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契約的束縛・誘惑なる秘密
第31章 香港―男達との再会―櫻澤

夜が明けても美波と仁科は帰って来ず、夜に警護の為という理由で本部の階級持ちがマンションに来ていたが、朝になる前に引き上げて行った。

(何があったんだろうか)

美波と仁科、それにルークが居る限り、このマンションに危害を加えるなどそう容易くはない。だが三人とも夕方CLUBにと出て行ったきり連絡は無し。
その前の俺と宮野の事、そして昨日から帰らない三人、これは一つに繋がっているのではないか?

(全てに関係するのはツインドラゴンという点)

調教師誘拐の流れで、俺達が出会したナンミン、本当にそれだけか?
もしかしたら美波と仁科にも、某らの手が回ったのではないのか。……あくまでも俺の想像の範囲だが。

「……本郷さーん……」
「宮野? 起きて大丈夫なのか?」
「まだ痛いよ。でもさ、美波と仁科が帰って来ないのが気になって……」
「あぁ……。どんなに遅くても、必ず帰って来ていたというのに、今日に限って帰って来ない」

宮野も何か感じるものがあるんだろう、それは俺と同じ事。不自然に戻らない美波と仁科、二人で言えば怪我という心配はしていないが、もっと違う理由……捕まる、罠に掛かる、あの力を使う、そんな事も考えられる。

「俺達って何も出来ないから……」
「散々アフリカで鍛えた俺でも、これは無理なんだ。宮野が落ち込む理由は無いと思うが?」
「でもさ、何かはしたいじゃん、毎回お荷物はイヤなんだよ」
「それは俺も同じだな」

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