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華の王妃
第4章 ユリウス
「は、早くいたせ・・ 」


王の声が上擦っているのは気のせいだろうか。


「見分には多少の時間がかかります故、今しばらくお待ち下さいませ。」


ユリウスの言葉にムッとしたのだろうすぐさま反論の言葉が出る。


「しかし、姫はルーカスの王妃だ。並の女のように扱う必要もあるまい。」


「なるほど・・たしかに。姫君は高貴な出、下々の女のようなことはございません
でしょうが、無理な旅でお体に支障があっては一大事、きちんとお体の具合を
確認致しませんと。王とて安心できますまい。」


「ふむ、ならばさっさとしろ。必要最低限なことだけでいい。あとは国に戻ってから
ゆっくりと診察すれば良い。ようはあの忌々しい男の種さえ宿していなければ
問題がないのだからな。」


それをこれからじっくりと調べようとしているのに。
ユリウスは小さく息を吐き、淡々と姫の身体を診ていく。




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