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イケないキミに白い林檎を
第10章 告白

「んー、ねむっ……」


今日はまだ木曜日。いつもより朝早く目が覚めてしまった。

颯太に付けられたキスマークはまだ消えず、あの返事も決められないでいた。

キープ兼セフレになり奪い返すか、それとも……復縁を諦めるか。

どれを選んでも、傷がつかない道はなさそうで頭を悩ませていた。

こんなに迷うって心を搔き乱すとは、恋は厄介な病気だ。


小さな溜め息をつき、寝返りして枕元に置いていたスマホを見るとメッセージが一件あった。


【お久しぶりです。よかったら今夜会いませんか?】

あ……、樹さんだ。

ソラ先輩にお仕置きされてから樹さんにメッセージを送っていないし、会ってすらいなかった。


――――『風子ちゃん。……好きですよ』


前に抱かれた時、樹さんに言われた好意を思い出す。

恋人でもなく友達でもない、割り切った大人の付き合い。


会えばまたセックスをするに決まっている。

でも少しでも好きでいてくれるなら、セフレとして付き合っておくのも……。


――――『もう自分を汚しちゃだめだよ。乙羽さんは、素直でいい子なんだから』

よこしまな考えを止めるように、ソラ先輩が言ってくれたことが脳裏を過った。


「あー、もう。ホント、何なの……」


顔にかかった髪を乱雑に払ってからスマホを弄る。


【いいですよ】と樹さんにメッセージを返信して今晩会うことになった。

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