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イケないキミに白い林檎を
第10章 告白

私も好きだったけど、この好きは違う好きで……とか言ったら勘違いさせてしまいそう。

好きだけど、愛してなかった……これもなんか違う。

それ以外に傷付けてしまいそうな返事しか思い浮かんでこない。


答えに迷っていると着信音が鳴り、樹さんはスマホを取り出して画面を気弱そうな顔で見た。


「すみません。ちょっと電話に出てもいいですか?」

「どうぞ」

樹さんは私に軽く頭を下げてから掛かってきた電話に出た。


「はい。……ああ、サヤちゃん。……今度は日曜日に……」

また他の女と話している。


うんざりして駅の近くを行き交う車をぼんやりと見ていた。


セフレが複数もいる男なんだから別れを告げて正解だし、はっきりと好きじゃなかったって言えば良かった。

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