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イケないキミに白い林檎を
第10章 告白

「違う。ずっと隠してきたけど、本当は女として見てた」

ひとつひとつの言葉が心に積み上がっていく。
面倒見のいい先輩だったのが、私の中でどんどん変化していく。

「だったら、なんで今まで手を出さなかったんですか……」

「大切なものほど簡単に汚すことなんてできないよ」

体を離されて、背中を触れていた大きな手が今度は手の甲に重ねられる。
じんわりと温かくて、自然とこの熱を受け入れたくなる。
それほど心地良かった。

好きじゃないのに全く拒否しない、やっぱり私の身体はおかしい。狂っている。
大っ嫌いなのに、何かが引っかかっていて私の中で彼の存在が大きくなる。


でも流されちゃだめだ。

「……私はソラ先輩のこと嫌いです」

「ははっ、……知ってる」

告白してすぐに振られたのに笑うこの余裕、やっぱりどこか変わっている。
なんだか振った私の方が悪いみたい。

「何度も言いますけど、私は颯太のことが好きなんです。ソラ先輩を男として好きになることは微塵もありません」

これだけはっきりと言えば諦めるだろう。
曖昧に誤魔化したらまた面倒なことになる。

まず、こんな汚れた私に告白したのが間違いだったんだから……。


「それでもいいよ。……でも、せめて俺の我が儘を聞いてくれる?」

「なっ…、何ですか」

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