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第5章 井上 翔太
日曜の夜に自分の部屋に帰り、月曜会社に出勤すると、俺も小鳥遊さんも、普段通り。
先輩後輩に、戻る。

付き合いだしたからって、いきなりバレるようなことは、しない。

オトナですから。

オンとオフはきっちり分ける。

「井上くん、コレ、チェックお願い」

小鳥遊さんからファイルを渡される。そういう彼女の耳には、俺がプレゼントしたピアスが揺れているのが見えた。

「はい。急ぎますか?」

「今日中にできる?あと、できたら前に見せて貰った資料、ちょっと訂正してるから、確認して。で、それ、年明けの会議で使いたいから仕事納めまでには纏めといてな。」

「了解です。」

こんないつも通りの業務連絡をかわしながら。

普段通りの仕事をこなしながら。

スーツだとちょっとわかりにくいけど、脱いだら意外と胸が大きいってこととか。すごく可愛い声をだす、ってこととか。
超肉食で、ドSな、あの、妖艶な流し目とかも。
俺だけが知ってる、と思うと、優越感と背徳感が、入り混じって、背中がくすぐったい。

ヤバい、社内恋愛、楽しい。

俺は密かにニヤっと口角を釣り上げ、PCに向かった。







ーfinー









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