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第7章 北川 樹
遙がしんどそうな顔で、ナースコールのボタンを探る。

「痛むか?」

遙が唇を噛んで頷いた。
俺は代わりにナースコールを押すと、直ぐに看護師さんがきて。

遙に話しかけた後、毛布をめくって状態を確認した。

「今7センチ開いてます。分娩台に移動しましょうか。」

遙が寝かされていたベッドはストレッチャーのようなモノだったようで、キャスターのロックを外してそのまま移動されたから、そのままついて行こうとしたら、ご主人はこちらでお待ち下さい、と止められた。
仕方なくそのままぼんやり待ってたら、10分ほどしてから、準備が出来ましたので立ち会われますか?と聞かれ、頷いてついて行った。さっきの部屋の続き間のような部屋には扉もなく。そこには柵のないベッドがあり。その上に遙が寝ていた。
遙の身体にはタオルケットのようなモノがかけられてたけど、その上からでも充分分かるくらい、脚が持ち上げられ開いていた。
この大股開き…中々恥ずかしい体勢だな…?

看護師に、出産時の動線の邪魔になるから足元には来ないようにと言われ、ご主人は上半身のマッサージとか、奥様を励ます事に専念して下さい。と言われる。俺も何すればいいか分からん人間にウロウロされたら邪魔だろうな、とは思ったから、そこは素直に頷いた。それから、途中ご気分が悪くなられたら部屋から出て下さい、とも言われた。確かに本丸は遙なのに横でウロウロしてるだけの俺が倒れたりしたら迷惑以外のナニモノでもないだろうな…と、それも納得。ま、血がダメってわけでもないし、そこは大丈夫だろう、と思うけど…
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