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第8章 芳川 翠
グラタンみたいなキッシュ風になるはず…と思ったら、予想通りの味で、思いつきにしては美味しくできた。

2人でコーヒーとグラタン風トーストを食べて、お昼からは映画を観に行って。お茶の時にケーキも食べて、後はぶらぶらウィンドウショッピング。


夜は車でウチまで送って貰って。
ウチでコーヒーを飲んで、楽しい誕生日を過ごせた。

本当はもっとまったりいちゃいちゃしたかったけど、お互い明日は仕事だから…と諦めて。

帰りがけにキスされたから、それに応えて。

唇を離し、そっと目を見つめて。

「おやすみなさい、てっちゃん。」

と呟いたら、玄くんの耳が見る間に赤くなっていく。

何このピュアな反応…

あまりの意外さに笑いそうになりながら。

「またね、てっちゃん♪」

「…お、おやすみ…じゃ、また!」

慌てて帰っていく玄くんを見送りながら、玄くんの違う一面を見た気がして。あぁ、そういえば、付き合うきっかけになったのも、ピュアな写真見て感動したからだったわ、と思い出し。
普段は意地悪なのにピュアって…
ホント、ギャップってクるかも…


と気付いた28歳の誕生日だった…




ーfinー





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