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第4章 高野 皐月
二年くらいして、私は小学校に入った。

学校でも友達ができて、楽しくしとった。

ある日、学校から帰る途中、おじさんが二人、話をしとった。

ペコっと頭を下げて通り過ぎたら、後ろで喋ってる声が聞こえた。

「どこの子や、あれ。」

「あれや、あの、げんじろうんとこの貰われ子や。」

「あぁ…」

貰われ子って何のことやろう…
その時はそのまま通り過ぎたけど、その言葉はずっと引っかかってて。
そんなことが何回もあった。

「私…ここのうちの子やんな?」

お母ちゃんに聞いたら、そうやで、と笑ろうてくれる。
考えたらあかん。
他所の人の言うことより、お母ちゃんとお父ちゃんの言うことが、本当に決まっとる。

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