• テキストサイズ
初恋
第5章 君がくれたもの


晴れの日の夕方なのに、この公園で遊ぶ人はいない。


これだけ寒い日にはどんなに活発な子供だろうと家の中に閉じこもる。


だからその涙を見る人は──…いや


もしそうでなくても、君の姿を見る人は──。






「…ッ…さっきの……子がね、……わたしに自慢するんだぁ……」



砂場の縁に立って君の背中を見下ろす俺に向けて、君は口を開いた。



「……自分の耳と、尻尾は……いなくなった猫に、そっくりなんだ って……ッ──だから、自分は、ご主人様に…選んで…もらえたって」



砂にまみれて汚れたワンピースの裾を、握りしめながら。



「…この耳と尻尾で 生まれてきてっ…よかったんだっ……って……でも ね、ご主人様は、『 お前は鼻も可愛いね 』って褒めてくれる……らしいの。──それってさ…ッッ…!!」


「──…」


「……それなら…さ、わたし、絶対に……勝てない じゃんかぁ……!!」


「……そうだな」



耳と尻尾が同じで


向こうは鼻まで可愛いなら、自分に勝ち目なんてないって、まるで彼氏にフラれた女みたいに……君は嘆いていた。




/47ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ