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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子
「彼女に知られたくない。ここで目立たないように待っていてくれ」



 言い置き、通りを横切り彼女の前に立ったのだ。


 ひとめ見た瞬間、彼女から眼が離せなくなった。じっと見つめていたら、突如として彼女が視線を感じたかのように自分の方を見た。


 もしかしたら、不躾に見過ぎていたのを気付かれたかもしれない。不要な警戒心を抱かせてしまったかと心配した。自分のふるまいが他人に及ぼす影響をここまで真剣に考えたのは初めてかもしれない。



 いや他人を意識したのは、と言い換えた方が良いのか。
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