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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子
 皇太子に静かに睨みつけられ、若い護衛は硬直した。


「申し訳ありませんでした。出過ぎたことを申し上げました」


 トーマスが無言で歩き始めると、彼らは黙ってついてきた。


 どうも、自分は相当舞い上がっているようである。冷静さが売りの皇太子殿下は両手の平で頬を押さえた。どうか宮殿に戻るまでに緩みきったこの顔が元に戻りますように。




 呪文のように唱えながら歩く彼は、背後から静かについてくる護衛たちが顔を見合わせて笑いを噛み殺していたのも気付かなかった。
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