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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
―どこの誰なのかしら。


 もう一度だけ逢ってみたい。別れ際、咄嗟に〝また絵を描かせて〟と言ったのは、やはり彼に逢いたかったからだろう。もちろん、そのときは意識して言ったわけではない。


 今日は大学は午前中だけだったから、お昼を軽く済ませて、いつものようにここに来た。大好きな中世の街並みがひろがる下町だ。



 ロザリナは一ヶ月前のあの日を思い出した。古色蒼然とした中世の町に、王子さまはとてもよく合っていた。それこそ映画のワンシーンを見ているかのように素敵だった。


 そこで、今日が始まって何度目になるか判らない溜息をつく。
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