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第14章 やさしいじかん

体位を変えて上になった。


根を掴み自分の蜜壺にあてがう。


くぷん


淫靡な音は、気分を盛り上げてくれる。


腰を沈ませた。


「くうっ…………！」



ああ、良い。男の根が突き上げるように


ナカに入ってくる瞬間は、


何者にも代えがたいほどの快感に


つつまれる。


根に体の中心を貫かれている。


良くて堪らない。


子宮の内壁は喜びに満ちあふれている。


細胞のひとつひとつが喝采の声をあげている。


「ああん！あんっ、あん！


ああっ……すごぃイイッ……！」


堪らず叫ぶように喘いだ。


腰を上下させた。


肉がぶつかる。


ぬちゃっ
ぴちゃっ


目をきつく閉じた。


快感に身を投じるこの瞬間がある。


それがどれだけみなみを救っていることだろう。


ーーーーー逃げているだけだ


ーーーーー麻薬と同じ


事後、いつも襲ってくる強い虚無感と孤独。


その時は苦しいくせに男が入ってくるとケロリ


と忘れてしまう。



「あっ、い、いいっ……凄いよ、


締め付けてくるっ……」



男が呻く。


名前も知らない。


聞いたが忘れた。


みなみが求めているのは、いつも同じものだ。


屹立した男根を持つ肉体。


それがもたらす最高の快楽。


「ああん……！ああっ、あん！」


汗が噴き出す。


ギシッギシッギシッギシッ


悲鳴をあげ軋むベッド。


寂れたホテルの一室だ。


いくら汗を掻こうが、


液体を垂れ流そうが、


声を上げようが構わない。