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穢された愛と正義の魔法少女たちの完全敗北……日記。
第8章 初めての痴漢。初めの満員電車
 しかしこの程度の小物相手に臆するボクではない。

 深淵の暗き闇から生まれたボクはもっと凄まじい『殺気』を感じたことがあるからだ。

 それにだてや酔狂で……いくつもの修羅場を潜り抜けてきたわけじゃない。

 威風堂々とした態度で、胸の前に腕を組み。

 いくらか殺気を込めた眼差しで、辺りを睥睨《へいげい》する。

「思い上がるなよバカどもがっ! 
 たまたま偶然が重なって、同じクラスになっただけだというのに、馴れ馴れしくしやがってぇ! 
 少しは彼女のキモチも考えやがれ! 
 だいたいキサマらみたいなクズどもと、親しくする義理など彼女には最初からない。
 これ以上彼女に迷惑をかけるなら、ボクは容赦なく叩き潰すぞ」

 教室中が唖然となり。

 酸欠の金魚みたいに、口をパクパクと開閉させている。

 間抜け顔としか言えないバカどもに向かって

「口説きたいなら『一対一』でやれ。
 それが紳士の嗜みだ。
 大勢で囲んでは、脅しているようにしか見えない」

 誰一人として反論できず凍りつく。

「礼を学んで、出直してこい。
 貴様らに彼女を口説く資格はない」 

 もっとも礼をつくして女性を口説いたという記憶がないなぁ。

 今朝だって……犯罪まがいな口説き方だったしな。

 説得力は皆無だけど……。

 そんな事情を説明してやるほど、ボクはお人好しじゃない。

 ボクの台詞にかぶさるようにしてぇ。

 教室に残っていた『女子から男子へと』揶揄《やゆ》の声が投げかけられている。
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