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第13章 ふたりっきり

　触れた唇の感触。
ジンジンと心に響く、『好き』という感情が私を大胆にした。
チュッとバードキスを交わし、離れゆく唇が口惜しく感じた。

　
　人目なんて気にしてられるか？
リアル恋の時間はドラマチックに始まらなきゃ！！



　あ〜ん。でも今度は私が先生をまともに見れない。
恥ずかしい……


　そんな私の手をギュッと握り、先生は夕暮れの中を歩き出す。
沈黙がドキドキを加速した。

　並んだ二人の影を私は見ていた。


　「キスは不意打ちに限りますね。
心まで持ってゆく。
でも、僕からしたかった」


　頭上から響く、優しい声に益々加速する恋心。


　「今……したかったんです。
だからですよ！
私は、今、先生に恋してるんだから！」


　「僕はもう少し前から恋していたと思います。
多分、初めて会った日から。
一目惚れでした。
きっかけが欲しかった。
だから、これでも……精一杯、真由子さんと距離を縮めてきたんです。
漫画のモデルに誘って、早穂ちゃんにも協力して貰って……。
したたかですよね」

　「………やだぁ、もう、バカ！！
先生のバカ！！
簡単に落ちますよ！！
そんなにしたたかでありながら、不器用な直球打たれたら、私は完全なノックアウト状態ですから！！」


　恋をしたら素直になって委ねる。
格好なんかつけていらんない。

　こんな恋の始まりをいいんじゃね？

　By　通行人の皆様、見て見ぬ振り感謝します。
原田真由子

　夕日が見守ってるよ！
大人の男女の青春じゃね？