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こんな日は抱いて欲しい
第4章 真由子、フィバー?

 トイレに向かいながら、瑛太を探してしまう乙女心。
偶然でもない限り、また会えるなんて思ってなかった。
ただ純粋に、マトモになった瑛太を影からでも見たかっただけよ。

 っていうのは、言い訳。
別れてから1年、私が男漁りをせずに過ごしてきたのは、瑛太より勝った男が現れなかったから。
簡単に忘れてやりたい男なはずなのに、あいつよりトキメク男に出会えなかった。

 「あの~ハンカチ落ちましたよ!」

 『私、ハンカチなんて落としてないし』

 肩を叩かれ、後ろを振り向けば、ニヤッと微笑む瑛太。
ハンカチ渡す振りをして、「もうすぐ閉店だし、換金したら、駅の西口降りるとコンビニあるからそこに居て。
イートインだからコーヒーでも飲んで待ってなよ。直ぐに行くから」
と小声で言って去っていった。

 【ザーザーザーザー】とパチンコ玉が流れてゆく音が耳に響く。
ドクンドクンと高鳴る心臓の音が私を困惑させ、嬉しさでニヤけてしまう。
自然と笑みが零れる。

 『………キュンって、させんじゃねーよ!
私ら……別れても友達にさえ戻らずに断ち切ったはずじゃん…。
で・も、換金して待ってる……』
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