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第30章 それぞれの、生きる場所…
『おはようリョウキ…』


『おはよ』




週末、目を覚ましたアイルは

少しだけ……?

落ち着かない様子だ。





〃?…〃


普段あまり興味を示さないスマホ(笑)を
ずっと手放さずに


モジモジ…という

かソワソワしている。




『……アイル、どうかした?』

『ぇ?……うん…べつに』





休みだというのに
珍しく朝起きるのも早い。

オレが起こすことのが
多かったりするんだけどな(笑)



朝食をとっていても上の空で
アイルはしきりに時計を気にしていた。


『…なんかあった?』

『ぅ……ぇっと…チョット…』



時計をもう一度見て
スマホを手にしたアイルが
何かをためらいつつモジモジしている


『~?』

『~~~~…ぁぁ、もぅ……っ』


一人小声でつぶやいて
スマホを操作したアイルが


一瞬ギュッと目を閉じて開けた




『……?』

『~~~~っ……ぁ…』



アイルの目がくりっと動いた……そして

オレの方を向く















『リョウキ……』

『うん?……』







『やったぁ・・・』


アイルの表情が
緊張がとけたようにパァっと明るくなった



『……試験・・・うかった…』



どうやら
ずっと勉強してた資格試験の
合否発表が今日だったみたいだ




『本当!?やったな!!?』



アイルが嬉しそうに
スマホの画面を見せてくれた



『ふふっ…結果
郵送されてくるんだけどね

ネットで…受験番号入れると見れるの…。
緊張したぁ……』



『よかったなぁアイル!頑張ったな!!』



『うんっ、嬉しい!

じ…自信…あんま・・・なかったから』



『さすがだなアイル!
~けど…スキップしたんだろ?
よく受かったなマジで!』



『スキップ…っていうか、うん。
そうなるのかな?
マナさんに、もうひとつ簡単なの
受けてからでもいいんじゃないかって
言われてたけど…だって…』


『ふふ…うん?』



『他の分野でもよく…
3級から受けて~とかっていうけど…』


『うん、うん』



『たくさん勉強して
1級受ける方が良いじゃない?
受験料だって高いし
試験なんて緊張するし…
何回もやるのヤダもん』





『ブホっ……』




み…味噌汁、吹いた……。
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