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第1章 舞い降りた君・・・


『遅かったな。帰るぞっ…』









彼女の手を強引に引っ張って

男達から引きはがし

そのまま歩いた。






『エッ・・・』






小さく…彼女が声をあげた気がしたが


オレは彼女の方を見ずにひたすら歩いた







オレは結構体がデカいからか
二人組にそれ以上絡まれることもなく…




というか、その間もなく立ち去った




彼女は若干引きずられるように
歩いていたかもしれない。





彼女が最初に

向かおうとしていたであろう方向に

とりあえず歩いた。





時々後ろを確かめながら
誰も追って来ないのを確認し角を曲がった





歩くスピードをゆるめて止まる。






フー…







少しため息をつく








『手………』





『ん?…』










『はなして…。・・・いたい』







彼女の方から口を開いた


わかりづらく少ない言葉で。






ハッとして我にかえって

慌てて彼女の手をパッとはなす。






『あ…ごめん…。その…』



『……』






やはり


基本無言な対応をされる。・・・気まずい。








…なんでオレが
気マズくなんなきゃなんねーんだよ








心で軽く舌打ちして動揺をごまかしていた。







そう

ようやく…








初めて彼女を、まともに…直視した。













ドクンッ…









心臓が鳴った気がした





やっぱり?








いや、それ以上に…整った顔して、美人だ。









どちらかと言えば童顔




薄暗い店ではわからなかったが
思ったより もっと若いか…





未成年…ではないだろうな…オイ?





幼顔の中の、まるくて大きな黒目

スッと筋の通った鼻





ふっくらした唇が
微妙に表情をつくるように動いた





あまり化粧っ気のない顔と

顔に似合わない地味な格好が

逆に彼女を引き立てているようにさえみえた






キレイな子は…

なんも飾りがなくてもキレイなもんだな…





なんて思いながら






しばらくボーっと
魅入ってしまったかもしれない。
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