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第32章 最高の名前

『親が…あまりに未熟だったために

あの子には本当に
不憫な思いをさせてしまった

それは、あの事が
起こる前から言えることです

・・・親失格です

勿論そんな言葉で
済まされることでも

許されることでもない
弁解の一言もありません

こんな恥ずかしい親で
あの子が…気の毒な限りです』






物静か

口数は少ない・・・だけど言うときは言う

アイルの言ってた通り






ついでにオレが…加えて言うなら





言うことが全て・・・潔い人





自分のことは本当

一言の言い訳もしない





不器用さに加え

馬鹿真面目な性格の人なのだろうな





それゆえにとった

当時の行動だったのかもしれない






『親だ…などと

二度と名乗らないつもりでいました


ですから…今回

連絡をもらった時は
正直・・・戸惑いまして

カツラギさんに

その点でもまた、ご迷惑を…』






『いえ・・・僕は別に…』






ソウタさんが
少し困ったように頭を掻く




父親の方は…



ソウタさんが特に
強く説得したようだった







『カツラギさん・・・娘のこと
本当に、ありがとうございます

あなたのお陰で
あの子は・・・ここまで

あの子に、こんな日がくるなど
願ってもないことでした

本当に・・・感謝します』









『…やめてくださいよ慶太郎さん』