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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
その返信はすぐに来た。

『俺もずっと凪子と話したかったし謝りたかった。ありがとう。今夜にでも会いたい』

その文面は迷い一つ感じられない、飾らない誠実が簡素に綴られていた。

『私の方こそ、幸二朗に謝りたいことがあるの』

だから凪子も迷いなく、本音を返信することが出来た。
とはいえ今日のことは一生秘密にしておこうと決めている。
気が急いて窓をみるとガラスに反射した自分の顔が見えた。

その顔は自分でも驚くほど、嬉しそうに笑っていた。

『早く終着駅に着かないかな』

凪子は落ち着かない気持ちで窓の外を流れる田園風景を眺めていた。

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