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第37章 動き出す

そのまま気を失ってしまったようで、目が覚めると海人の声がした


「パパあ？

ママ起きたよー？」


頭が痛い

きちんと服を着てベッドに寝かされていたようだ


「ごめん。。。帰ってきたのね？」


海人の頭を撫でると、嬉しそうに笑う


「ママ？赤ちゃん妹？」


きょとんと見る私をキラキラな目で見る海人が話していく


「海人っ

ママは気分が悪いんだから、まだ寝かせてあげて？

美海、大丈夫？」


質問責めにしてくる海人を捕まえて健人が私を見る


「っ。。。大丈夫。。。

ごめん。。。なさい。。。

寝てしまったのね。。。？」


「いいよ

洗濯は片付けたし、食事も、もうすぐできるから？」


ご機嫌な健人が海人を抱きながら話していく


「え？ごめんっ。。。」


「そういえば。。。



海人迎えに行ったら吉川さんに会ったよ」



「え？館長に？」


不意に修二の名前が出てきて動揺してしまう


「明日は病院に行くから休みにしてくれって言っておいたから。。。？」


私を見ないで健人が話していく


「何で勝手に言うの？」


思わず、妊娠しているかもしれないことを修二に知られたくなかった私は怒鳴ってしまった


しまった。。。そう思った時には遅かった

怖い顔の健人が私を見る


「ダメだった？

妊娠しているかもしれないことは、まだ言ってないから。。。安心して。。。？」


「っ。。。」


見透かされたような健人の顔が見られない

くるりと背を向けて海人を連れていく


「食事、出来たら呼ぶから？

もう少しゆっくりしてて。。。？」


絶対に怒っている背中を見ると肩越しに海人が手を振ってくる



はぁ。。。

妊娠していたら。。。？どうしよう。。。？

明日は病院に行くだろう。。。

修二にも知られてしまっただろう。。。

健人はああ言ってたが、海人も知っている所を見ると知られていない方が不自然だ


明日なんて来なければいいのに。。。

まだ、妊娠を受け入れる心の準備は出来ていない

思えば、私だけが成長していない。。。

私だけがあの頃のまま。。。

中身は高校生のあの頃のままだ

健人の方がよほど、大人だ。。。