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運命の人
第5章 偶然
気づいたら16時だった

家に帰らないといけない時間が来る

まだ、帰りたくない。。。

でも、帰らないといけない。。。

一気に現実の私に戻っていく

名残惜しげに、何度もキスして帰った

途中、買い物していく

ボーッとする頭はふわふわしている

会計していると、後ろから、かごに何か入ってきた

振り向くと、樹がいた


「。。。?」


黙って会計する

お互いに何も言わないで、同じ家に帰る

偶然だろうか。。。?

樹の会社の方向は、こっちじゃない

しかも、こんなに早く帰るなんて。。。

家に帰ると、まだぎこちない二人は口をきかない

黙って洗濯物を取り込み、食事の用意をした

食事を並べると、逃げるように寝室に入った

食欲はなかった

ビールを口にしながら、テレビを見る

ぎこちない二人で食事も、1人ぼっちの食事もしたくない

樹は何も言わない。。。

何も言わないってことが更に怖い。。。

テレビを見ながら笑う樹の声が聞こえる


よく、笑えるな。。。

私達、喧嘩中ですよね。。。?


無神経なところが嫌だ

今まで、許せていたことが、許せなくて嫌になる

狭い空間で、音が聞こえると、変な緊張感がある

今まではなかった。。。

小さな音さえ、嫌になり嫌悪感が生まれる

扉が少し開いて私を伺う気配がした

私からは棚で見えない。。。

起き上がることもなく、知らない顔をする


私は、どうしたいんだろう。。。

ただ、寂しかった

毎日、1人ぼっちの食事

せめて、一緒にいる時は一緒にいることを選んで欲しかった

でも、樹が選んだのは、パチンコやゴルフで。。。


私じゃなかった。。。


一緒に寝ていても、愛されない。。。

ただ、抱きしめられたいだけの日もあった

癒されたいだけだったのに。。。


私は拒まれた。。。


小さなことが、樹にとっては、些細なことが積もり積もった


紙切れ1枚で繋がった私達は、紙切れ1枚で終わりに出来ない。。。


もう、終わりにしたい。。。

一緒にいるのに、1人ぼっちなんて。。。

寂しくて悲しい。。。

愛のない、寂しくて悲しいセックスはしたくない

自分からは言わない。。。

離婚。。。

口にした方が負けだから。。。
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