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運命の人
第8章 離婚
家に帰ると、珍しく電気がついている

もう、帰ってきたの?

まだ、健人の匂いが残る体に、後ろめたさを感じる

そっと玄関を開けて家に入る

樹は、ソファーで寝ているようだった

無視して、いないものと考える

洗濯物を片付けて掃除する

何もしていないと言われる家事をする

食事を樹の分を作って、ラップした

自分で作った食事を1人で食べるほど、おいしくないものはない。。。

樹と口を聴かなくなってから、晩御飯は食べていない

ビールのみだ

でも、何も感じないのか、樹は食事していた

1人で食べておいしいのか。。。?

毎日、食べて片付けてある

できれば、洗濯物も自分でしてほしい。。。

もう、旦那の世話をするのが嫌でたまらなかった

でも、樹は何も言わない。。。

無言の生活が続いている

樹は、リビングのソファーで毎日寝ている

私達は、どうしたいのかわからなかった

休みの日は、部屋から出ない

家事はする

スッピンでラフな部屋着で過ごす

樹はパチンコで負けたのか、ずっと家にいる

ゴルフに行く気配もない

心に、辛い休みが続いている

同居人に怯える生活しているようだ

顔も合わせない生活。。。

結婚している意味がない。。。

私の心は限界だった

でも、初めに、口にしたら負け。。。


離婚したい。。。


口にした方が負け。。。

毎日が長い。。。

今日の土曜日も、同じように部屋に閉じ込もっていた

夜は花火大会がある

毎年、1人だ

花火の日はパチンコが出るからと、1度も一緒に花火を見たことがない

部屋の窓の外から花火の音が聞こえてくる

結婚して初めて花火の日にいる旦那は別々の部屋にいる

1人で窓から見る花火は切ない。。。

健人は見てるのかな。。。?

メールしてみると、電話が鳴る

電話に出ると健人の声が聞こえてくる


「美海。。。?花火、綺麗だよ。。。?」


旦那に聞かれてはマズイ。。。


「うん。。。」


「もしかして、近くに旦那がいる?」


「うん。。。」


「聞かれたら困る?」


「うん。。。」


「美海。。。好きだよ。。。美海は?」


「っ。。。うん。。。」


いじわるそうに聞いてくる声が聞こえてくる


「美海は?」




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