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第9章 4月8日

っはぁ…っくぅ…もぅいぃ…やめろ…みゆきっ


っはっ…っはぁ…夢…か…

女に襲われる夢で目覚めた。
髪が長く、俯いてオレをくわえる女の顔は判らず、愛おしくて、気持ちいいのに恐ろしくなって頭を抱えて剥がしたが、
覗いた女の顔は見えなかった。
いや、闇が貼り付いたようにポッカリと穴が開いているように、顔が無かった。

なのに、俺は女を『みゆき』と呼んだ。

それは今まで知っているどの『みゆき』でもなかった。

はあぁっ…

深く息を吐く。
嫌な夢のはずなのにしっかり反応している自身にまた気分が悪くなった。