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第16章 嫁と姑

　げにうつろいやすいのは人の心。

　移り変わりが烈しい季節のように、カンの心も離れていってしまった。


　夏の盛りは油蝉が煩いほど鳴いていた庭園も、今は夏の終わりを告げるかのように蜩(ひぐらし)が忙しなく鳴いている。煩いのはどちらも似たようなものだが、蜩の方が淋しげに聞こえるのは気のせいだろうか。


　ファソンがぼんやりと枯れ花を見ていると、大妃の高い声が耳を打った。



「これ、何をぼんやりとしておる」