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国王の契約花嫁~最初で最後の恋~
第4章 突然の見合いと家出

大先輩の内官長に面と向かって敵意を露わにするほど、ファソンも子どもではなかった。
ファソンの姿を認め、沈内官が小さく頷けば、若い女官二人が両側から扉を開いた。
「陳女官が薬湯をお持ち致しましてございます」
沈内官の声と共に、ファソンは静かに寝所に入った。背後でまた扉が閉まる。
室の奥に大きな寝台が見えるが、ここからでは絹布団の山が見えるだけだ。もしかしたら、カンは眠っているのかもしれない。だが、薬湯だというからには起こしてでも飲ませた方が良いのだろう。
ファソンの姿を認め、沈内官が小さく頷けば、若い女官二人が両側から扉を開いた。
「陳女官が薬湯をお持ち致しましてございます」
沈内官の声と共に、ファソンは静かに寝所に入った。背後でまた扉が閉まる。
室の奥に大きな寝台が見えるが、ここからでは絹布団の山が見えるだけだ。もしかしたら、カンは眠っているのかもしれない。だが、薬湯だというからには起こしてでも飲ませた方が良いのだろう。

