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第19章 嵐の予感

　愚かなのは、子どもすぎる自分だったのだ。


｢二人とも、ありがとう」


　泣き出したファソンを見て、チェジンが笑う。


「お嬢さまってば」


「本当にファソンは泣き虫だな」


　カンが袖から手巾を取り出し、ファソンの頬にこぼれ落ちる涙を甲斐甲斐しくぬぐう。



　チェジンはそれを潮に気を利かしたのか、そっと外に出ていった。