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第36章 真実

「あなたに信義という言葉を口に出す資格があるとでも？　あなたもそうだ、平どの。そもそも、あなたの兄君が事の発端を作ったのではないか。あなたの兄は民心を蔑ろにし、民の血税を私し、不正に私腹を肥やしてばかりいた。おまけに、人妻であろうが、気に入った女とみれば見境なしに意のままにしようとした。すべては、前使道が人の心を無視するからではないか。朴どの、あなたにチャンウォルを悪く言うことは許さない。チャンウォルほど心の綺麗な女はおらぬ。彼女は謀の片棒を担いだとはいえ、いわば犠牲者でもある。チャンウォルが賤しいと言う前に、貴殿は自分の心のさもしさを知るが良い」