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淫の館
第14章 月の躾

結局昨日はずっと独りぼっちで過ごした。

夜は寝付けず布団の中で声を出して泣き、泣き疲れて寝ていた。


「朝げだ。さあ食事しよう。」

館主様の声かけに飛び跳ねるようについていった。

「ゆっくり休めたようだな。日の躾は有意義だったんだな。」

「いえ…
独りぼっちで寂しかったです。」

「ほう、そうか、家族のことでも思い出していたか?」

館主様に言われて気づく。
あれほど暇で退屈していたのに、私が考えたことは、ここで自由に過ごすこと、子供たちに思いを馳せることすらなかった。

「いえ、自由になったら楽しいのだろうと、そればかり考えてました。」

「母親失格だな。だが、世俗から解離できたということは微笑ましいぞ。
曜日の躾が体に馴染んだら、入館の儀を行う。
そうすれば館内では自由だ。」

「待ちどおしいです。」


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