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淫の館
第2章 2回目の逢瀬

男の言葉通り、その場で服を脱ぎ浴衣を着る。
新品の浴衣など着たことがなかった。

帯を締めて部屋に戻ると、男はベッドの足元の方に腰掛けていた。
その前に向かう。

「後ろ姿を見せて。」

言われるままに振り向くと、その壁面は大きな鏡が一面に張られていた。

鏡には男の開いた足とベッドに付いた手が私の両端から見えるだけで、白いシーツと白い浴衣姿の私が写っていた。

「腕を軽く下ろして。」

背中に男の言葉が当たる。
私は力を抜いて手を太ももの脇に添えた。

「綺麗だ。まるで死装束のようだ。」

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