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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第7章 沢渡のおじさん
三者面談から数週間経った、

夏休みも迫る暑い日の夕暮れ。


学校からマンションに帰ってみると、

玄関の真ん中に見慣れない男性物の革靴が目に留まる。


見慣れない靴ではあったが、少し右にゆがんだ靴の脱ぎ方・・・


オレはすぐに幼い日、「おじちゃん」と呼んでいたパトロンが、

家に来ていることを悟った。


時々小遣いをくれたり、普段まともな食事をしてなかったオレを、

外食に連れ出してくれたおじちゃん。


もしや母親と抱き合っているのかと、

そっと家に入ったが、寝室ではなく、

リビングのほうから母親の笑い声が聞こえてきたので、

少しホッとして、挨拶に向かった。


「おじさん、ご無沙汰してます。」


キートンのスーツの後姿が、こちらを振り返る。

おじさんは目を細め、にこりとこちらを見て、声をかけてくれた。


「亮輔君、ひさしぶり。

しばらく見ない内に、また背が伸びたんじゃないか?」


母親はオレとの関係が始まってから、

おじさんとはどうしていたのだろうか?

おじさんは母親の事が気になって、家に来たんだろうか?


母親も目を細めて、オレたち二人を微笑んで眺めている。


「もう、中学三年生か。そろそろ高校は何処にいきたいか決める頃じゃないか?

 おじさんの娘は、去年の今頃から焦って勉強を始めた口なんだが、

 今年、何とか滑り止めに受かってくれたよ。」

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