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第4章 シーン　4

「ね、あたしが風間さんに夢中になってしまったりしないか不安じゃないの？」
「そりゃあ、ちょっとは不安な気持ちはあるけどな。」
「もし。あたしが風間さんのセックスに溺れて虜になっちゃったらどうする。」
「うーん。」
　大輔は答えられない。答えられるわけがない。そうなるかもしれないと言う不安と嫉妬が興奮の源になっている。そう言う不安がまるでないとしたら、多分大輔は興奮しないかもしれない。あたしは命綱無しで綱渡りで谷間を渡るみたいな気がした。だが、反面あたしの中でその綱渡りをスリルと感じる気持ちが芽生えて来ていた。
「あたしが大輔さんがいない所で風間さんに逢っても、あたしのこと嫌いにならない？」
「勿論だよ。」
「いつもあたしのこと愛してる？」
「愛してるよ。」
「じゃあ、良いよ。風間さんとデートする。」
　あたしは今までとは違う綱渡りの綱の上を一歩踏み出してしまった。