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遠い日の約束。
第4章 本当の気持ち
「お疲れ様でした…」

それだけ言うのがやっとで、私の言葉はそこにいた人たちには届いていない。
財布からお金を取り出して、とりあえず五千円をテーブルの上に置いて店を出た。
外に出れば3月の終わりにしては肌寒く身震いがする。
大通りまでいかないとタクシーは捕まらないと思い重い足取りで歩きだした。


「草野!」

後ろから声をかけられ振り向くと、部長が私の方に歩いてきていた。
部長は何も言わずに私の手を引いて近くの植え込みに座って煙草を吸い始め私もその横に座った。
部長は何度か白い煙を口から吐き出して、口を開く。

「手を取る相手を間違えるなよ」

その言葉に顔を上げて部長を見てみると、空を見上げながら煙草の煙をはいた。
そして、空を見つめたままゆっくりと言葉を綴った。

「幸せになるためには時には自分の気持ちに素直になるのも大切だと思うぞ。相手の事を思って手を引くなんざ、俺から見たら馬鹿としかいいようがない。それで相手が幸せになれるか?……俺は…相手の事ばかりを思って不幸になったふたりを知ってるんだ…後になって後悔ばかりしていたがな…お前にはそうなって欲しくない…好きなら他に取られないように努力しろ。待つばかりじゃなくて自分から行ってみろ。案外簡単に欲しいものは手に入るかもしれん…」

そこで一旦言葉を私の方に目線を向けた。
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