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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
「どうかした?」

私の声に気が付いて、慌てて表情を変える。

「いやっ…うん…」

珍しく彼が言葉を濁す。
私は春馬に近づくそっとスマホを覗く。
ドクリと血液が逆流し始めた。
LINEの相手は貴子。
それは…

「奥さんから?」

「ああ…明日の夜、こっちにくるみたいなんだ…」

幸せな時は一瞬に終わる。
甘い2人の時間も消えてなくなった。
そう…
私と春馬の間柄は恋人ではない。
不倫関係だった。
どんなに愛してくれていても一番にはなれない。
どんなに身体の相性が良くても一番ではない。

「そっか…じゃあ…当分は一緒にいられないね」

物わかりの言い私は我儘を言わない。
この3年間は私が春馬を独占してきた。
年に数回家に帰る時以外はこうやって私の傍にいてくれた。
それだけで十分なんだと自分に言い聞かせる。

「寂しくないのか?」

「寂しいけど…見つかって修羅場は困るでしょ?」

私の言葉に苦笑いをする春馬。
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