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第8章 嫉妬と不安

ベッドの上にゴロリと寝転び瞳を閉じる。
なんでこうなったのだろうかと考える。
ただ春馬に、俊樹とつきあいはじめたことを伝えたかっただけだった。
もう心配いらないから大丈夫だと伝えたかった。
ただそれだけだったのに…俊樹に辛い表情をさせてしまった。
俊樹はどこか物事を深く考えすぎてしまう時がある。
私が湖に落ちてしまった時の事もそう。
誰も何も思っていないのに何年も苦しんできた。
無理やり抱かれそうになった時、ひとりで寝た私が悪夢にうなされてしまった事を、きっと今でも後悔してる。
そして今日。
嫉妬に狂い私を責め立てたことをきっと後悔する。
もう少し、楽に生きればいいのにと思う。
ごめんねと言われて許したのだから、それから先まで責任を感じることはないのに。
どうやったら俊樹の気持ちが楽になるのか考えても答えは見つからない。
かと言って、このまま俊樹を一人で寝かせることもできない。
だって、ひとりで泣いてしまうから。
辛い思いを口に出さずに心の中に秘めて、彼はひとりで泣く。
時計を見てみると3時を回っていた。
2時間近く考えていたようだった。